高級時計業界のユニークなプレーヤー

ウブロは創業当初から、ゴールドとラバーの融合という大胆な手法で注目を集め、これがブランドを象徴するスタイルとなりました。

現在でも、ウブロは常に既成概念を超え続けており、その原動力となっているのが、マティアス・ビュッテ率いる研究開発部門です。この動画では、彼がウブロの革新の舞台裏へと私たちを案内してくれます。

ブランドのアイデンティティの核心には、新素材の探求があります。耐久性に優れ、カラフルなセラミック、サファイア、マジックゴールドなど、どの作品にも卓越した技術力と、時計製造の再定義を目指す揺るぎない姿勢が反映されています。

”マジックゴールド”は、なぜ「マジカル」なのか?

マジックゴールドは、ウブロがローザンヌ連邦工科大学(EPFL)と共同開発した画期的な合金です。その目的は、 ゴールドの高級感を保ちながら、極めて高い耐久性を持たせること、すなわち、傷に強い18Kゴールドを作り出すことでした。これを実現するために、ウブロは純金と炭化ホウ素(ボロンカーバイド)をベースにした複合素材を融合させました。炭化ホウ素は世界で最も硬い素材の一つで、軍用戦車にも使用されています。

製造工程は、炭化ホウ素を充填・焼結して多孔質セラミック製の金型を作成し、強固で孔の開いた構造体を形成することから始まります。このセラミック構造体に高い圧力をかけながら液状の24金を注入し、溶けた金が微細な空隙に入り込み、セラミック構造内を満たします。

その結果、約1000ビッカースという硬度を持つ認定済みの18Kハイブリッドゴールドが誕生します。これは従来の金の硬度約400ビッカースを大きく上回ります。この特許技術により、高貴で革新的かつほぼ破壊不可能な金属が生まれたのです。

鮮やかな色彩のセラミック

ウブロは、これまで時計製造の常識を覆す、高耐久かつ鮮やかで飽和度の高いカラーセラミックを生み出す画期的プロセスを開発しました。従来、色素は高密度かつ耐久性に優れたセラミックを生成するための高温焼結に耐えられません。そのため、ウブロは製造工程を根本から見直す必要がありました。

この革新的な工程の鍵は、高圧下で低温焼結を行う技術にあります。色素の強度を保持しながら、優れたセラミック強度を実現。焼結後の素材は均質な構造を持ち、後仕上げなしで光沢のある美しい表面を実現しています。また、硬度は約1500ビッカースに達しており、鋼をも上回ります。

この技術により、ウブロは鮮やかなレッドや深いブルーといった、これまで実現不可能だったセラミックカラーを時計に採用することが可能になりました。これらの色は時間の経過や光の照射に対して色あせず、傷がつきにくい特性を備えています。

サファイアの透明性 — 美学と技術の証

この特別な素材は、酸化アルミニウムの溶融と結晶化によって生み出され、「完全な透明性」と「極めて高い硬度」を兼ね備えています。ウブロはこの素材を自社で完全に設計・製造し、高級時計に求められる純度と透明度を持つサファイア・ブロックの生産を実現しています。

原石のサファイア・ブロックを時計ケースに仕上げることは、大きな技術的挑戦です。各パーツはダイヤモンド工具を用いて「切断」「加工」「研磨」されます。高度な技術の工程により、光学的に歪みのない平滑で透明な面を作り出し、どの角度から見てもムーブメントがクリアに見える仕上がりになります。

このサファイアケースは、技術的に非常に高度であると同時に、視覚的にも極めてユニークな体験をもたらします。文字盤から極小の歯車に至るまで、時計の内部が驚くほど鮮明に映し出されます。