伝統と革新

1846年にル・ロックルで創業したユリス・ナルダンは、スイス時計製造の伝統そのものを体現しています。創業当初からマリンクロノメーターで頭角を現し、船乗りや探検家たちに愛用されるブランドとなりました。

19世紀から20世紀初頭にかけて、ユリス・ナルダンのクロノメーターは国際コンクールで数々の賞を受賞。ユリス・ナルダンは時計技術における信頼性と品質の代名詞となったのです。

20世紀に入り、ブランドは伝統を継承し続けながら、新しいテクノロジーにも適応してきました。それでもなお、ブランドの原点でもある海洋の伝統に深く根ざしています。マリンコレクションは、歴史的なマリンクロノメーターから着想を得たモデルで、この伝統を引き継ぎながら、最新の技術を取り入れています。

マリンクロノメーター

ユリス・ナルダンは早い段階から、外洋航海に不可欠なマリンクロノメーターの製作に特化していました。これらの時計は、その卓越した精度で知られており、船舶の正確な位置の計算を可能にしたため、世界中の探検家や海軍にとって欠かせないものとなりました。

ルードヴィッヒ・エクスリン（Ludwig Oechslin）がユリス・ナルダン（Ulysse Nardin）のために制作した三部作

1980年代後半から1990年代初頭にかけて発表されたこの三部作は、アストロラビウム・ガリレオ・ガリレイ（Astrolabium Galileo Galilei）、プラネタリウム・コペルニクス（Planetarium Copernicus）、そしてテリリウム・ヨハネス・ケプラー（Tellurium Johannes Kepler）の3つの象徴的な時計で構成されています。

この 三部作の最後のモデルであるテリリウム・ヨハネス・ケプラー（Tellurium Johannes Kepler）（写真）は、1992年に発表されました。この時計は北極から見た地球を示し、地球が自転しながら太陽と月の通過を表示します。また、日食と月食、月の満ち欠け、そして海洋と大陸の境界線も表示します。

これらの時計は、複雑な天文表示を腕時計に組み込むことで、機械式時計の複雑機構に革命をもたらしました。

技術革新の精神

世界中の海軍に使用される高精度の航海計器を開発することで、ユリス・ナルダンは、信頼性と精度が航海にとって不可欠であった時代に性能の新たな基準を確立しました。

1930年代には、ランナーのタイムを1/10秒単位で測定できるスポーツ・クロノグラフを製造し、精度の限界をさらに押し広げました。

1980年代には、ロルフ・シュナイダー（Rolf Schnyder）の指揮のもと、ユリス・ナルダンは再生を遂げました。ブランドは、時計製造の伝統を失うことなく、トリロジー（Trilogie）や天文複雑時計のような大胆な作品で、ブランドは際立った存在となりました。

フリーク

2001年に発売されたフリークは、時計業界における真の革命です。ダイヤル、針、リューズもなく、ムーブメントが自軸を中心に回転することによって時刻が表示される、機械式時計の概念を完全に見直しました。

業界初のシリコン脱進機を搭載したフリークのアヴァンギャルドなデザインは、現代の時計製造のアイコンとなり、ブランドの革新と創造の精神を象徴しています。

ダイバー ネット コンセプトウォッチ

2021年に発表されたダイバーネットは、持続可能性へのブランドの取り組みを体現する革新的なコンセプトウォッチです。

このダイバーズウォッチは、海洋から回収された廃棄漁網などをリサイクルした素材から作られており、海洋環境保護の重要性を強調しています。

ケースとブレスレットは、環境保護に取り組む企業とのパートナーシップによりデザインされており、倫理的なアプローチと持続可能性に基づく、先進的な時計製造のビジョンを象徴しています。