レザーマルケトリー(象嵌細工)

エルメスは、その時計製造においてユニークな技術を取り入れており、その中でも最も魅力的な例の一つがレザーマルケトリーです。

レザーマルケトリーとは、色や質感の異なる小さな革片を切り分け、組み合わせて模様を作る伝統的な手工芸技術です。このプロセスは通常、家具やオブジェの装飾に使用されますが、ここでは時計製造に応用されており、特に小さな文字盤のサイズには挑戦的な作業となります。

何時間にもおよぶ細かい作業を必要とする、まさに技術的な偉業と言えるでしょう。レザーマルケトリーの装飾を施した文字盤は唯一無二で、ハンドクラフトのため、その色調やディテールを正確に再現することができないため、その時計は非常に貴重でレアなものとなります。

製作工程はどのようなものですか?

革の選定:職人はイメージする模様や色合いに合わせて、厳選された上質な革のカラー・パレットから慎重に革の色を選びます。

革の裁断:精密な工具を使い、わずか数ミリの小さな革片に裁断します。文字盤のデザインにぴったり合うように、ひとつひとつ丁寧に切り揃えられます。

組み立て:模様が浮かび上がるまで、文字盤のベースに革片をひとつひとつ組み合わせていきます。

仕上げと保護:模様が完成した後、平らになるように優しくプレスして、耐久性を確保するために薄い保護コーティングを塗布します。